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「シン君、買い物に行くから付き合ってよ」 ニコニコした顔のスバルに誘われたのは休日の朝いきなりだった。 二人で行くというのは普段三人で行動する俺達にとっては珍しい。 けれども、ティアナの奴は今日俺と目が合えば逸らす事を繰り返してくる中それは助かったと言ってしまえる提案だった。 正直、ティアナの顔を何でもないように見続ける事も出来ず、かといって全く意識の外に置くのも出来ない俺は完全な未熟者だ。 俺は二つ返事で了解すると、適当に服を見繕って部屋を後にする。 隊舎の外に出てからスバルの服装を改めて見てから軽く驚いた。 制服を除けばパンツルックが多いスバルがスカートを穿いている事に驚いた。 それはしかし、似合っていないというわけではなく、寧ろその逆であった。 引き締まった健康的な脚線美がミニスカートから伸びている様は目の保養もとい、目の毒である。 道行く人もスバルをチラチラと見て行くが、隣りのスバルはそんな事構わないとばかりに、楽しそうに歩く。 鼻歌でも歌うように、俺とスバルは休日を過ごした。 気兼ねなく付き合える男友達の延長線のようなスバルに、自然と俺は心の中のしこりが解けていくのを感じた。 服を見て、CDを見て、バイクを覗いて、それからゲーセンに行って。 それらを回ってみるだけで、話題にも困らないし、気疲れもしない。 笑い合いながら過ごす休日は普段よりもずっと一日が早く過ぎていく。 休憩がてら立ち寄った公園にはいつも行き付けのクレープ屋がある。 俺はスバルにはベンチに座っていてもらい二人分のクレープを買う事にする。 「ハイよ、チョコバナナクレープと、生キャラメルクレープね」 二つのクレープを受け取ると俺はスバルの腰掛けるベンチへと向かう。 そこで、俺は思わず目を軽く見開いた。 スバルはしゃがみ込んで女の子と話しているのだが、何やら様子がおかしい。 不審に思って駆け寄ってみると、スバルが困ったような視線を向けてくる。 「スバル、どうしたんだよ?」 「シン君。それがね、この子、お母さんとはぐれちゃったみたいなの」 「ママがね、待ってろって言ってからずっと帰ってこないの」 「はぁッ?」 見れば女の子はまだようやく小学校に上がったばかりの年齢。 ヴィヴィオよりももしかしたら幼いかもしれない。 こんな小さな子をほったらかしにしてる母親に対する怒りが声に出ていた。 女の子は、俺の上げた声に驚いたのか、ビクリと肩を震わせる。 俺は自分が予想外に語気が荒くなっている事に気付いた。 「ああ、ゴメン、ゴメン。君に怒ったわけじゃないから」 怒りを覚えたのは女の子の母親に対してだ。 「そうだよ。このお兄ちゃん怖そうだけど、実はそうでもないから」 スバルも慌ててフォローするが、それはフォローになっていない。 っていうか微妙に貶められてないか? そう言いたいのを堪えて俺は女の子の方に向き直る。 頭に手を置いてやると、またビクリと震える。 それに苦笑を浮かべてしまうが、俺はゆっくりと、嘗てそうしていたようにやんわりと撫でてやる。 掌越しに女の子の強張りが解けていくのがわかって、少しこちらも安心する。 おずおずと見上げてくる女の子の顔に、妹の面影がオーバーラップしてしまう。 その事に未だに過去をズルズルズルズル引き摺っている自分に込み上げる情けなさ、不甲斐無さを噛み殺す。 「じゃあ、お兄ちゃん達とママ探すか?」 「シン君」 女の子は一瞬きょとんとしたようだが、すぐさま笑顔になって頷く。 スバルまでつられて笑顔になる。 それが少しくすぐったかった。 俺とスバルは女の子 ――― カナちゃんというらしいけど、のお母さん探しをする事になった。 結論から言ってしまうと、カナちゃんのお母さんはあっさりと見つかった。 放送するまでもなく、カナちゃんと一緒に言われていた場所に行ってみると両手に紙袋を抱えた若い女の人がキョロキョロとしていた。 カナちゃんに気付くと女の人はツカツカと歩いてきていきなりカナちゃんの丸い頬っぺたを引っ叩いた。 あまりの事に私もシン君も反応がすぐには出来なかった。 カナちゃんは大きな瞳に涙をいっぱいに浮かべてお母さんを見上げる。 真っ赤になった頬っぺたが痛々しい。 カナちゃんのお母さんは眦を吊り上げてカナちゃんを睨み付ける。 思わず私まで一緒になって竦んでしまいそうな瞳だ。 「ここで待ってろって言ったでしょ!!アンタ私に恥かかせたいわけ!!」 「ごめんなさい……」 濃い口紅が塗りたくられた口が私にはその時やけに下品に見えた。 それ以上に、カナちゃんのお母さんの口から出た言葉に、一切カナちゃんを心配していたという言葉が無い事にやり場の無い気持ちになる。 もう一度カナちゃんのお母さんの平手が飛び、カナちゃんのもう片方の方が鮮やかな音を立てる。 叩かれると同時に、滴が宙を舞う。 それがカナちゃんの浮かべていた涙だと気付く前に、更にカナちゃんのお母さんは苛立たしげに手を振り上げる。 もうやめて!! そう叫ぼうとした時だった。 振り上げた手をシン君が掴んでいたのは。 「アンタいい加減にしろよ」 「はぁ?アンタに関係……」 カナちゃんのお母さんとシン君の瞳がぶつかる。 自分の手を掴んだシン君をねめつける様に睨もうとして、瞳を見開く。 「ひっ………!!」 短く不細工な悲鳴をカナちゃんのお母さんは喉から振り絞っていた。 私も思わず息を呑む。 そこには初めて見るシン君がいた。 紅の瞳には炎ではなく、マグマが閉じ込められているんじゃないのかとさえ私は思った。 色々な感情を詰め込んで煮詰めたような、ひたすらに熱くて鋭い視線だった。 それは戦場を経験したシン君だから浮かべられるような表情で、一般の、それも女の人には恐怖以外の何物でも無いだろう。 私は妙に冷静な気持ちでそう判断していた。 シン君はカナちゃんのお母さんの手を握り締めたまま何も言わない。 沈黙に耐え切れなくなったのか、お母さんが精一杯の力を込めたように睨み返す。 明らかに虚勢なのは見てわかる。 「な、何よ……アンタ……」 「こんな小さな子を一人ぼっちにして、てめぇはパチンコに行っておいて……よく言えたな」 「………ッ!?」 私は確かにカナちゃんのお母さんが息を呑むのがわかった。 そして、私はもう一度手にしていた袋に目をやると、それは煙草やビスケットが詰め込まれた紙袋。 いかにもパチンコの景品というものだった。 バツが悪そうにシン君から視線を逸らすが、その手は相変わらず握られたままだ。 シン君がぎゅうっと力を込めたのがわかった。 「痛い!!イタたた……痛いってば!!」 「この子がぶたれたのに比べれば大した事でもないだろう?」 シン君の声に「怖い」ものがふっと浮かび上がる。 ぞくっと背筋に悪寒が走る。 シン君の瞳に浮かぶ光が怪しくなる。 「痛い痛いよ!!あああ………ッ」 目尻に涙さえ浮かべながら身を捩るけれども、一向に手を離そうとしないシン君。 その手は万力のようで、掴まれている手が徐々に白くなっていく。 「ちょ、シン君!!」 流石に不味いとシン君を止めようとした時、小さな人影がポスッとシン君を叩いた。 それは小さかったけれども、何よりも強くシン君に響いたようで、自然とシン君は掴んでいた手を離した。 「ママを虐めるな!!」 それが全てを終わらせる合図だった。 その瞬間悪者はお母さんではなく、シン君になっていた。 シン君がその時浮かべた表情を、私は一体何と言えば良いのだろうか。 傷付いたような、それでいて安心したような。 カナちゃんはおずおずとお母さんの手に小さな手を添える。 お母さんはビクッと身を震わせ、嬉しさと自身を恥じるように瞳を伏せながらその小さな手を握り返した。 私とシン君は何も言えずに二人が去っていくのを見つめるだけしか出来なかった。 ◇ シン君はベンチに俯いて座っていた。 手にはいつも飲んでいる缶コーヒー。 私は何て言って声をかければ良いのかわからず、ただシン君の隣りに座っていた。 シン君はぽつんと呟いた。 「最低だ………」 何も言わないことで、私はシン君の言葉の続きを促す。 「子供の前で……よりにもよってあんな小さな子の前で親をあんな風にするなんて……マジでダセェ………」 「シン君……」 缶コーヒーで顔を冷そうとするように、額を押し付ける。 その肩が微かに震えている事に、私は胸が痛かった。 シン君は悪くないよ、そう言いたいのに、俯いたシン君がそれを拒絶していた。 私の慰めなんか何の意味も持たない事がわかって、唇を噛み締める。 何故だろうか、無性に悔しかった。 だから、無意味とわかっていても、私は何かを言わずにいられなかった。 「シン君はあの子の為に怒ったんでしょう?あのお母さんが許せなくて」 シン君はただ黙って頷く。 「暴力を振るうのはいけないと思うけど、でも………私は人の為に怒れる事って……凄いと思う。大切な事だと思うから…」 「スバル……」 「だから………だから、私はシン君はそのままで良いと思うよ。後悔なんてしないでよ、今日みたいに暴走しちゃったら………その時は私が止めるから」 頬が熱くなって、私はシン君の顔が見られずに一緒になって俯いてしまった。 シン君が顔を上げるのが気配でわかった。 「スバル………ありがとうな…」 その声の響きに、私は思わず顔を上げた。 何て優しい響きなのだろう。 どんな顔をしているのか、それが見たくて、赤いであろう頬を見られる恥かしさを押し殺して私はシン君の方を見た。 そこには夕日のような温かい光を閉じ込めたような瞳で、何処か救われたような、弱々しくて嬉しそうな表情があった。 その弱々しさに、胸がきゅーんと痛む。 そっか………私……… ようやくわかった。 その痛みが何を意味しているのか。 ティアナとキスをしてるシン君を見て胸がどうして痛くなったのか。 どうして、今日シン君と二人で出かけようと思ったのか。 それは確かめたかったから。 この痛みを。 そして、今すとんと理解出来た。 出来てしまった。 ゴメンね……ティア…… 心の中で親友に謝る。 「ううん、気にしないで……だって…だって私は……シン君が……好きだから」 でももう否定出来ないよ、ティア。 ツンつん×デレでれ 11話へ進む 一覧へ
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情報とは何か。心である。 心とは何か。認識である。 心の認めて識るを青き報せと人は呼ぶ。 だが―――― 己で己を認められぬ心は、誰にも識られぬ情報は、それでも命と呼べるのだろうか。 呼べるのだとしたら、それは無限に続く苦痛ではなかろうか。 世界はいらえもなくただ偽りと過ちに溢れかえり今日も行く。 自らを見つめるまなざしと共に。 /*/ What a perfect blue world #7 /*/ 「……なあ、ヨル」 ぽつり、スバルは、唐突に訪れた場の沈黙を破るようにして呟く。 「なんだ?」 雫のいらえは、こともなげである。 「お前の胸は、空白だな」 スバルは呟いた。 本名を東円(あずま まどか)という、男装の東国少女である。 呟く先は、彼女が彼である事を辞め、彼女である事を自認するきっかけを作った、当の相手だ。 かつてトウ・エン・スバルと偽りで名乗り、近づいた、暗殺しようとしていた相手。 夜ノ塚雫(よるのづか しずく)。 雫の胸は大きい。 小柄なスバルよりもさらに背丈が低いのに、感覚比でまどかの3倍~5倍は大きい。 裸でオアシスに落ちていたのを拾った時は、複雑な気分になったものだ。 その屈折を乗り越えて、スバルは言った。 雫の胸は、空白だ、と。 「何、自前だぞ!?」 的外れな抗議の声。 こんなシリアスな場面で、こいつは……と、雫と行動するようになってから、もうすっかり慣れっこになってしまった深い溜息と共に、訂正する。 「そういう意味じゃない」 「じゃあ、何だね」 スバルは両の目を閉じた。 雫は、夜ノ塚雫という名をまどかが彼女に与える前、出会った時のエピソードに習って、まだヨルとだけ呼ばれていた頃に、スバルならぬ、素顔の自分、まどかに短刀を突きつけられながら、青い髪を翻してこう言った。 『何を苦しんでいるのだ、トウ・エン・スバル。 私には何もない。 過去も、したがって過去の私に連なる一切のつながりもない。 だが、私はいつでも喜びに満ちているよ。 見たまえ、世界はこんなにも『君達』で溢れている。私のこの大きな胸に、抱きしめられる連中で一杯だ。 物理的な事情で不幸にもこの脂肪のクッションにあやかれないものたちには、それより遥かにやわらかな、私の心でもって抱擁しようではないか。 私には何もない。優れた身体能力もなければ、飛びぬけた知力を持つわけでもない。だが私は圧倒的だ。 見たまえ、私は『君達』とこうして出会うことが出来た。なんという祝福だろうね。なんという幸運だろうか。それに比すれば己が何者であるかなどというアイデンティティの問題は、私にとっては何ら問題にはならん。 私の背丈は小さいが、それで私が誰かを抱擁する妨げになるとは思わない。小さき者は抱き上げよう。大きな者は膝を与えよう。私と肩を並べて立つのなら、君の頭を抱きしめよう。 見るがいい。そして知るがいい。祝福とは何らかの能力をもってするのではない、心でもってするのだと。 私には何もない。過去も、したがってかつてあったかもしれない過去の私が備えた素性も何もない。 だが、私には名前がある。 たったそれだけでいいのだ、エン、いや、まどか君と呼ぶべきだろうか。それともスバルとあえて忌む名を呼ぶか? どっちでもいい。どれでもいい。私にとって、君は、私に名と祝福を授けてくれた、かけがえのない友なのだよ。 見よ、西方に吹く風を。 私の髪が青いのは、私がエラー体として生まれてきたからではない。まして君に殺されるためでもない。 私の髪が青いのは、私の心が青いのだ。 私の心が青いのは、私を見つけた君の心が青いのだ。 天は西方に落ち、夜は訪れるだろう。 だが、君という東方より、朝は来たのだ。 私の夜はその時終わった。 私に夜が、持たされたのは。 君の朝を、導くためだ。 目を覚ましたまえ、西方・白虎にその宿を持つ、誇り高き金牛の座に頂かれしものよ。 昴よ。 君のその名は私と出会う、そのためだ。 そして聞く耳を持ちたまえ、エン。 それは私にとって偽りなどでは毛頭ない。私は私を信じる。私の見た君を信じている。 だから、君も君を信じたまえ。 早く、まどか君を許してやるといい。 君は優しい子なのだから』 あの時、スバルとまどかは救われた。 ヨルを裸で行き倒れているただの変な西国人だと思っていた頃に、知り合って、 ヨルが、自分の一族の狩らねばならない、世界のバグだという事に気付いた後、 まどかは苦しんだ。 友を殺すべきか、一族を捨てるべきか、迷った挙句に、己のすべてを殺して彼女を殺そうとした。 その時に、そう、言われたのだ。 今では笑ってしまいそうなほど昔に思える話だ。唇に微笑を湛えながら、まどかは言葉を続けた。 「お前には記憶がない。 それだけじゃなく、物事に対するこだわりもない。 あるのはただ、いかにして人をその胸に抱きしめるかという、それだけだろう。 それが、お前の胸をみせかけよりも大きくしている。 お前の胸は、空白だ。 すべての人間にある、内向きに詰め込まれた感情の何もかもを唯一吐き出せる、空白なんだ。 俺は、お前が羨ましいよ」 「さっぱりないものなあ、君には」 「そうではなく! いや、そうなんだが、そういうことではなくてだな!」 「指示語の多い奴だな。何の話をしているのかさっぱりわからんぞ」 「あー、もー、こいつは!!」 地団駄を踏みながら、心のどこかが笑っている。 こいつと出会えて、私はよかった。 「……そういうわけだ、HA。待たせたな」 もういい、もう、いいんだ。 「俺は、行くよ。 確かに俺の使命は人殺しで、でも、それはもう、終わった。 俺は俺を殺して終わる。 『私』はまどか、東(あずま)の、まどか。 私は未来に行く。 それが今を生きるものの宿命で、それが、私の選んだ私の使命。 アズマの氏族は、愛にて青と共に生きる。 例え朱に交わろうとも、染まらぬ青、愛より出でて、愛より青い、この、青と」 震えが、止まった。 雫の手を、ぎゅうと握り締め、そうしてスバル=まどかは、言い切った。 「すべてを歪ませてきたのは、お前だ」
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せんせー、夜の特訓しましょー!!! V4TWHwGt ある者は言う。眠りはもっとも死に好く似た行為であると。 だが同時に人間にとって大切な事でもある。 ましてや…… 「すぅ……すぅすぅ………んっ……」 徹夜一週間なんて馬鹿げた真似をする人間にとっても大切な事でもある―― ユーノが帰宅と同時に眠り込んではや2時間。草木処か星さえも傾き始めた頃。 「抜き足、差し足、忍び足……こそこそ」 鍵をかけ忘れた部屋に忍び寄る盗人もとい女の影。 普段は豪快に空の道を駆けるほっそりと足は目的の人にまで忍び寄る。 ソファーで夢の中にいる彼の顔がよく見えない――そこにふとカーテンから漏れた月明かりが二人を照らす。 「きちゃいましたよ、せんせ~~」 眠るユーノの姿を堪能するスバル。第三者がいれば間違いなくわんこ耳を幻想するくらいに愛嬌を見せる。 それもその筈、眠り姫のように横たわる尊敬のするせんせーの姿を見ただけでも満足満足。 (はぁ~やっぱりせんせーってきれいだな~でも眠っちゃってるならしょうがないですよね) 心の中で一度、深呼吸。 大きく息をつくと来ていた私服を脱ぎ始め――― 絞り込んだ女性の肢体が月明かりに照らされて幻想的に見える。 この日の為に彼女なりに研究を重ねたシンプルな蒼のネグリジェ。 そしてソファーに眠るユーノを押し倒すように、彼の上に覆いかぶさる。 顔はすでに茹蛸より真っ赤になってるけど関係ない。 (あうあう~いまさら緊張してきたよ、でもちゃんと今日こそいうんだ、ほんとの気……れ?) ――急にめまいが生じる。通常稼動ならば5徹は可能な自分の体なのに? 本番はこれからなのに、色々と言いたい事があるのに。 彼女の意思と裏腹に、体はゆらゆらと睡魔におそわれ……ソファーに倒れこむ。 当然、スバルの目前にはユーノの寝顔が度アップに写る、 がそれが最後にスバルの思考は夢の中にへと吹き飛ばされた。 ――-当然、朝方に駆けつけるとある彼女の乱入までは夢心地な時間を。 30スレ SS スバル・ナカジマ ユースバ ユーノ×スバル ユーノ・スクライア
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番号 ライバル名 本名 所属チーム 搭乗車種 タイプ ルート 050 バリアント井口 井口俊宏 - スズキ・SWIFT SPORT - ダウンヒル 051 秋名君 雪花菜卓実 - トヨタ・TRUENO GT-APEX(AE86) - 052 テールクラッカー 芝一樹 - トヨタ・MR2 G-SUPER CHARGER(AW11) - 053 伊香保の門番 音羽隆一 - 日産・CEFIRO CRUSING - ヒルクライム 054 おむすび偏愛舎壱 白金健夫 スパイラルスライダーズ マツダ・RX-7 ∞(FC3S) チーム ダウンヒル 055 グルーヴナイン 川島信彦 スパイラルスライダーズ ホンダ・CR-X SiR チーム 056 トゥループレイシス 金城一二三 スパイラルスライダーズ ホンダ・ACCORD EURO R(CL7) チームリーダー 057 激 刈谷三郎 榛名ヒルクライム倶楽部 トヨタ・CHASER TOURER V チーム ヒルクライム 058 滅 平松幸夫 榛名ヒルクライム倶楽部 日産・FAIRLADY Z VERSION S(Z32) チーム 059 壊 岡崎大典 榛名ヒルクライム倶楽部 日産・SILVIA spec-R チームリーダー 060 ハイアップR 山内玲奈 - ホンダ・INTEGRA TYPE R(DC2) - ダウンヒル 061 倉淵の狂犬 若林輝久 - トヨタ・CELICA SS-II - ヒルクライム 062 ローカルヒーロー 赤堀昌明 - マツダ・RX-7 ∞(FC3S) - ダウンヒル 063 榛名の月 加納義正 - スバル・IMPREZA WRX STi(GC8) サポーター 064 サウダージ 三枝伸也 - 日産・180SX TYPE II(前期) 065 最後の晩餐 大友典宏 - マツダ・AXELA 23S 066 榛名ガーディアン 玉城伸一 - RIVAL CAR 066(三菱・LANCER GSR EVOLUTION IV改) スラッシャー 067 PTスバリスト 河本信二 - スバル・LEGACY B4 BSK メダリスト 068 コーナーネイチャー 望月直樹 - ホンダ・NSX TYPE R(NA1) ハイギャンブラー 069 VIPドリフト 大町久義 - 日産・LAUREL CLUB-S トリッカー 070 1st KINGDOM 古屋小鉄 - RIVAL CAR 070(日産・SKYLINE GT-R V-specII(BNR34)改) キングダムトゥエルブ 071 裏切りのジャックナイフ 坂本桐字 - RIVAL CAR 071(マツダ・RX-7 TYPE RS改) サーティーンデビルズ 072 偽りの86 竹ノ内和也 榛名スターライツ トヨタ・LEVIN 1500SR(AE85) チーム 073 レブSR 湯島賢 榛名スターライツ 日産・180SX TYPE X(中期) チーム 074 マストFR 上地台浩二 榛名スターライツ 日産・SILVIA K s(S13) チームリーダー
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《殺しますね》 イベントカード 使用コスト0/発生コスト2/黄 《使用条件》 「近衛 スバル」 [アプローチ/自分] 自分の「涼月 奏」を妨害している相手のキャラ1枚は、ターン終了時まで±0/-30を得る。 (お嬢様にそんなことするヤツは、ボクが許しません。) まよチキ!で登場した黄色のイベントカード。 近衛 スバルがいる時に発動でき、自分の涼月 奏を妨害している相手キャラ1枚のDPを30減少させる効果を持つ。 《お嬢様の弱点》と異なり発動条件はあるが、DPの減少量が増えている。 ただしAPは変化しないため要注意。 《お嬢様の弱点》とは状況に応じて使い分けたい。 カードイラストは第5話「アタシと付き合いなさい」のワンシーン。フレーバーはその時のスバルのセリフ。 関連項目 《お嬢様の弱点》 収録 まよチキ! 01-118 編集
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ワゴンでも良いからこの代のインプ欲しい -- (名無しさん) 2024-01-09 17 27 15
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シンが六課に来てから3年が経過しようとしていた。 青い子と橙の子との間で揺れ動くにも程があるという周囲のツッコミの果てに、「だったら両方選べばいいじゃない」という結論に達したシン・アスカ。 年月は辛気臭い美少年を、些か女の敵な美青年に変えた。 年月を物語るのは肩まで伸びた黒髪。 そして180の大台に乗った身長。 特に後者は身長で未だに悩む事の多いエリオ少年にとっては妬ましいものであった。 しかし、そんなやたらと無駄に煩わしくでかくなった身体(ヴィータ談)を丸めて、件のシン・アスカはテーブルに突っ伏していた。 ポニテというするものを選ぶエアースタイルは叱られた犬の尻尾のようにエリオには映る。 やはり弟分としては落ち込む兄を慰めるべく頭の一つを撫でてやるべきだろうかと、傍らのキャロに目配せ。 しかしキャラメル・ラテを啜りながらキャロは首をただ横に振るのみ。 その視線は「諦めなさい」と如実に物語っていた。 「はぁ~~~~~~~」 何度目かになる兄貴分の溜息に、エリオはつられてしまいそうになる。 (誰か、この人をどうにかしてあげて下さい) じゃないとこっちまで憂鬱になる。 その言葉を心の中とはいえ、飲み込める程に、エリオは出来た少年に育っていた。 ◇ 「ティア?どうしたのその荷物?」 微かに伸びた前髪をつまみながら、スバルは隣りを歩く親友に尋ねる。 三年の年月を経て、その身には躍動的な明るさに、色気が加わり始めていた。 今では街を歩くたびに男達が振り向かずにはおれない少女。 そして、姉を超え、二大艦隊フェイトとシグナムに迫ろうとしている。 何がとは言わない。 強いて言えばアフロダイA的なものとだけ言っておこう。 「ん?ああ、ハサミと櫛を入れてきたの」 そう応えるのは橙の髪をさらっと背に流した同じく人目を惹きつけるであろう魅力に溢れたティアナ・ランスター。 その手には可愛らしいポーチが握られている。 ティアナの言葉に、スバルは首を傾げる。 「何でそんなもの?」 「シンの奴、いい加減髪の毛鬱陶しいでしょ?切ってやろうと思って」 事も無げに吐かれた言葉に、スバルは露骨に不服そうな顔をする。 「ええ~~~~切っちゃうの~~~?」 「そうよ。男のロンゲはユーノ先生くらいで十分でしょ?」 「シン君のポニテ似合ってるのに~~~侍みたいでカッコイイってティアも言ってたじゃん」 「そ、それはそうだけど………とにかくいいの!!これから暑いしバッサリ切るの!!!」 「ぶ~ぶ~!!ティア横暴横暴!!」 「うっさい、バカスバル」 フンと鼻を鳴らすティアナであったが、理由がきちんとあった。 先日の事であるが、ティアナは仕事も上がり、たまには二人きりで食事でもどうかと思いシンを尋ねた。(人、これを抜け駆けと言う) その時、ティアナは信じがたい光景を目にした。 『シン先輩の髪って綺麗ですよね~~~』 『何か特別なケアとかされてるんですか?』 『別に……』 『あ、あのぉ~~さ、触ってみても良いですか?』 『ちょ、ちょっと、アンタ先輩に何言ってるのよ~~~』 『あ、でも私も触りたいなぁ……なんて』 『アンタまで…』 『?いいけど、別に』 『え!?』 『男の髪なんて触って何が楽しいのか知らねぇけど、好きにしろよ』 『きゃ~~~ホントですか!?』 『し、シン先輩に触ってもいいんですか!?』 『そ、その御迷惑じゃありませんか?』 『ハァ?別に髪くらいどうでもいいって』 『『『ありがとうございますぅぅ~~~♪♪』』』 触れていた壁がメキメキと音を立てて罅が入った。 ティアナの目の前では、シンの髪を触るという名目で、やたらとシンの身体をベタベタと触る後輩達の姿。 後ろに結われたポニテを触るためにどうして“前から手を回す”必要があると一人一人問い詰めたかった。 何故“腕を組む”必要がある。 何故“メアドを交換する”必要がある。 明らかに髪の毛目的ではない事は明らかである。 しかし、シンにも問題があった。 (アイツ、何で為すがままなのよッ!!) 「ティア?」 ティアナはその時の光景を思い出し、ムカムカとする心を必死に宥める。 険しい顔をし始めた親友にスバルは心配そうな表情を浮かべる。 ティアナにもわかっている。 シンに悪気は無い。 基本的に女の子の頼みに弱く出来ている上に、イマイチ自分の見目に自覚が無い。 男なんざ、顔がそこそこ整っていれば、身長が高いだけでそれなりにカッコ良く見える。 顔が良ければ御の字だ。 シンは二つの条件を充たしている。 それだけではない。 赤い瞳、病的に白い肌、深い深い闇を塗り重ねたような黒髪。 エキゾチックな雰囲気は+αだ。 持って生まれたもの。 故に、それは奇天烈な髪の色をしたり、珍妙なヘアースタイルにするより、装飾華美なアクセで身を固めるよりも、ずっとナチュラルな個性である。 +αがあって些かぶっきらぼう。 王子様のように紳士過ぎれば軽薄と受け取られかねない優しさが、ぶっきらぼうさ、不器用さ包まれていれば、最低限特定の女性のツボに入らない筈が無い。 しかし、シンは自分の見た目がぶっちゃけイケてる部類だという自覚はない。 嘗て、優柔不断でありつつも、女にモテていた上官、童話の世界から飛び出してきた王子様のような親友。 それに比べて自他共に認める子供っぽさ故に色っぽい話にとんと縁が無かった。 惜しむらくは、元いた世界でのシンは子供っぽさが抜け切る前にコチラへと来てしまった。だから、シンにとってのモテる男、イケてる男の基準はあくまでも彼らなのだ。 更に言ってしまえば、自分の事が好きな女性陣は物好きの類とさえ考えている。 「まぁ、そういう鈍感なところも………嫌いじゃないんだけどね」 ティアナは溜息を吐く。 できればもっと鈍感で、もっとぶっきらぼうになっていて欲しい。 自分達以外彼の魅力に気付けないように。 「うん。鈍感であってのシン君だよね」 「ぬあッ!!あ、アンタ何よいきなり」 「うん?だってティアってば、思い出し怒りしてるんだもん」 「だから、それでなんでシンが出てくるのよ!!」 「ティアがそうなるのって大体シン君がらみじゃん。っていうか、私もあの時見てたりして」 「アンタ、いたの!?」 「うん。シン君と買い物でも行こうかなって」 なんて事だろう親友も抜け駆けしようとしていたのか。 女の友情ってなんだろうか、と思いつつも、ティアナとスバルは食堂へと辿り着いた。 シンの姿はすぐに見つかった。 っていうか、目立った。 ◇ 「シン君?」 微かな驚きと、それ以上の不審を含んだ声色で、シンに駆け寄ったのはスバルが先であった。 すぐに後からティアナも駆け寄る。 叱られ、項垂れ、そして不貞寝に至った大型犬かの如き有様を不思議に思ったのはティアナも同様であった。 傍には、苦笑を貼り付けたエリオと、諦観を乗せたキャロが座っている。 「シン君。どうしたの?何かあったの?」 突っ伏したシンの頭を撫でると、スバルが優しく囁く。 この辺りの“慣れ”が、三年の歳月を物語る。 「スバル……」 ゆるりと顔を上げたシンに、スバルとティアナは息を呑む。 紅の瞳は不安げに揺らめき。漏れ出た声はか細い。 どっからどうみても打ちひしがれていた。 「シン君?」 スバルがシンの顔を覗き込む。 まるで、しょぼんとしている子供の悩みをゆっくりと聞き出す母親のように。 そのスバルの気遣いがシンの心に亀裂を入れた。 亀裂の入ったダムが決壊するかのように、沈み込んでいたシンの感情が爆発した。 「スバルーーーーーー!!!うわぁぁーーーん!!!」 押し倒された。 「ちょ、ちょっとシン君!?」 「俺、俺、俺……俺、俺!!」 「駄目だよシン君!!きょ、今日は可愛い下着じゃないの!!だから……」 「もうどうしたらいいのかわかんねぇ~~~~!!!」 「シン君?」 押し倒したスバルの胸に顔を埋めながらシンは涙声で喚く。 もう、ぶっちゃけ子供だ。 それに母性本能を擽られたのか、スバルは落ち着きを取り戻すと、シンの頭をそっと撫でた。 落ち着かせるように、何度も、何度も。 えぐえぐと嗚咽を上げるシン・アスカ(19歳)は、やがて自身の頭を撫でる感触の柔らかさに、押し付けた胸の温もりに、徐々に己を取り戻す。 ちなみに、泣いて抱きつけば女が誰でも母性本能を擽られるという幻想は存在しない。 ぶっちゃけ顔が並か、それ以下の男がやれば漏れなくゾウリムシを見る視線と共に拳が飛んでくるだろう。しかる後に『変質者』の称号が与えられる。 誰だってイケてる男には、特に好きな男には胸を貸してあげたいものだし、そうでない男には指一本触れられたくない。 大切なのは見た目だ。 やっぱり大切だ、見た目。 話が逸れた。 「落ち着いた?シン君?」 「あ、ああ、悪いスバル」 シンの目元の涙を指で拭ってやりながら、若干赤くなった頬で微笑むスバル。 そんなスバルに今更ながら気恥ずかしさを覚えるシン。 そして……… 「へぇ~~~~随分と仲がおよろしいようでぇ…………」 「ティアナ?」 「ティア?」 すっかり置いてけぼりを食らった女が一人。 手にはハサミ。 開いたり閉じたりしている様が実にホラーである。 擬音にすると、ちゃきちゃきちゃき、シャキーンシャキーンシャキーン、という感じだ。 「………とりあえず落ち着け、そしてハサミを置け」 「ふふふふふふふふ………落ち着いてるわよ?今なら落ち着いてアンタを刈り取れそう……」 「だから落ち着けぇぇぇぇぇぇ」 ハイライトが消えた瞳で笑う姿はメッチャ怖い。 エリオはキャロの影でぶるぶる。 キャロは「これがヤンデレですか」と興味津々。 強いなキャロ。 そんなやり取りが20分程続けられた。 ようやくハイライトが戻ったティアナ。 衣服の乱れを整えたスバル。 命を拾ったシン。 震えが止まったエリオと、若干ガッカリ気味のキャロをバックに、ティアナさんからの質疑。 「で、何良い具合に錯乱しちゃってたわけ?っていうか、何でスバルに抱きついたわけ?」 「いや、スバルに優しくされてつい……」 「アンタ、女に優しくされれば誰にでも抱きつくわけ?」 「………割と」 「ようし、そこになおれい!!」 「は、ハサミはしまって!!ティアーーー!!」 「うっさい!!!一人だけでかくなったからっていい気に乗ってるんじゃないわよ!!」 「そこッ!?論点そこ!?とりあえず、シン君の話を聞こうよ!!」 珍しくフォロー役のスバル。 ハサミを渋々しまうティアナ。 ビクビク、オドオドのシン。 「フン。まぁ、保留にしておいてあげるわ。それで、何があったのよ?」 「そ、それが………」 「それが?」 「それが…………」 「それが?」 「ヴィヴィオがパパって呼んでくれなくなったんだよ~~~~~~~~~!!!!!!!!!」 「「「「ハァ?」」」」 「この前久しぶりに会ったらさぁ、俺の事『シンさん』って……『シンパパ』じゃなくて、『シンさん』って!!!」 「そ、そんな事で……」 思わず呆れ返るティアナ。 他のメンバーも同様である。 しかし、シンはその言葉にキッと顔を向ける。 「そんな事?そんな事だって!?あのヴィヴィオが………純粋で無垢で、健気で天真爛漫で、優しくて、甘えん坊で素直なヴィヴィオがパパって……パパって呼んでくれなくなったんだぞ~~~~~~!!!!俺もう生きていけない!!!もうやめゆ~~~~~~~~!!!!」 「何をよ!!っていうか、独身の癖に何壊滅的親馬鹿になってるのよ!!」 「そ、それにシン君。ヴィヴィオだってもう13歳な訳だし……」 「そうですよ!!もう思春期なんですから…色々あるんですよ」 「思春期………ああ~~~でも、でも急にそっけなくなって……それって……それって……それって~~~~」 考えたくない結論に達しそうな思考をシンは無理矢理押さえ込む。 臭いものには蓋を。 見てみぬフリを決め込もうとしているところに、ポツリとキャロが呟く。 「…………反抗期………」 「!?」 シンの身体が雷を打たれたように震える。 「パパと一緒に洗濯しないで………とか、パパの後のお湯はちゃんと抜いて………とか?」 「ひぎぃぃぃぃーーーーーーーー!!!!!!」 脳内で、ヴィヴィオの声でリピートされた惨いセリフに、思わず男性向け同人誌で陵辱の限りを尽くされた少女の如き悲鳴を上げるシン。 「そんな……ヴィ……ヴィオ……シンパパはもういらないのか?」 「ジイさんはもう用済み……」 「ひぎぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」 「「「キャローーーーーーーー!!!!!」」」 ◇ シンが悲痛な叫び声を上げている一方、なのはさんのお宅。 ソファーで寝転がって少女マンガに目を通しているヴィヴィオに紅茶を淹れてやりながらなのはは気に掛かっていた事を口にする。 「ねぇ、ヴィヴィオ?」 「なぁに?なのはママ」 「もう、お行儀悪い!」 なのははクッキーを口に咥えたまま見上げてくるヴィヴィオに眉を顰める。 かすがソファーに落ちると、半ば強引に取り上げると、そのままぱくりと自分の口に放り込む。 「ああ~~~ひっど~~いママ。どっちがお行儀悪いのぉ」 形の良い眉を若干吊り上げる娘の抗議を右から左に聞き流しながら、なのははヴィヴィオの寝転がるソファーの空いたスペースに座る。 テーブルにポットとカップを置くと、左右非対称な娘の瞳を覗き込む。 「どうしてシンの事パパって呼ばなくなったの?」 きっとヴィヴィオを猫可愛がりしているあの青年は今もまだショックに打ちひしがれているのかもしれない。 これが一時の反抗期であるならば、元の呼び方に戻してあげたいと思っていた。 更に言えば、シンを悲しませたくないというのが本音であった。 ヴィヴィオは、なのはの瞳が思ったよりもずっと真剣な、それこそ冗談や茶化しでは済まない事を読み取ると、暫し黙り込む。 何を言うつもりだろうかと、なのはがヴィヴィオを見つめていると、徐々にヴィヴィオの頬が赤みを帯び始める。 「だもん……」 「え?」 「だってキャロお姉ちゃんが言ってたんだもん」 「言ってたって……何を?」 「パパと娘は結婚出来ないって」 「それはそうだけど……それが一体……」 先を促すなのはに、ヴィヴィオはますますその柔らかい輪郭を帯びた頬を林檎のように朱に染める。 「だ、だからシンパパはパパじゃ駄目なの!!」 照れ隠しのように、強く放たれた言葉になのははすぐに対処出来なかった。 正確には、脳が回転しなかったというべきか。 たっぷり30秒の間を開けてなのはの口を出たセリフはたった一言。 「………え?」 何とも間の抜けたものであった。 ツンつん×デレでれ 15話へ進む 一覧へ
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「こりゃひでえな……」 俺ら◆ZZlReeJbgc(以下ZZ)一行が目にしたのは完膚なきまでに崩壊した秋葉原であった。 大変なことになっているのは秋葉原だけではない。 俺たちは後から知ることになったが今いる金星そのものが大変なことになっているのだ。 行方不明になったみなみとゆたか。 そして彼女らを探すべく先に秋葉原へと向かったビリー兄貴たちの安否が気になるが、 放送で名前を呼ばれていないってことはあいつらはまだ無事っぽいな…。 「………」(こなた) 「………」(つかさ) 「………」(みwiki) 「………」(みさお) こなた達ことらきキャラは唖然としている。 崩壊した大都市をみりゃそうなるわな。 特にこなたはショックが大きいんじゃないのか? だって秋葉原はアレだ。オタクの聖地なんだろ? ぶっちゃけ俺だってショックは大きいです。 これらを作った張本人が未だに近くにいてほしくないもんだ。 「この素晴らしい壊しっぷり!まさしくアーカード様やネウロ様のものに違いない! どこにおられますか?アーカード様ぁぁぁぁぁ!!ネウロ様ぁぁぁぁぁ!!」 「………」 このうるさい鉢巻バカ、スバル・ナカジマは自分のご主人様の名前を叫んでやがる。 おいおいよしてくれよ本当にそいつらが来ちまったらどうするんだ。地獄絵図になること請け合いだろうが。 そして背中に背負われて気絶しているのはイクスヴェリア。 リリカルなのはシリーズのキャラらしいがドラマCDを見ない俺には全然分からん。 ぶっちゃけどマイナーだよな。きっとこの話を書いている書き手からもどうでもいい存在になってるんじゃね? だってほら、あれから時間が立っているのに未だに気絶状態から目覚めねぇもん。 空気フラグじゃないのか? 「タコスうまー」 そしていつも間にやら俺らについてきていたタコス女は相変らずタコスを食っている。 こいつはタコスしかねぇのか? ま、ぶっちゃけこいつからタコス取ったら釘宮病しか残らな……おっと誰か来たようだ 「これほどまでに街を破壊するとは感心しませんな」 ついでにこいつはジェネラル。途中で合流した。あんまり書かれない俺たちは合流する描写がキンクリできるんだ。 某格ゲーの史上最凶のラスボスだ。 その強さはカオスロワでも衰えてなくてスバルを一蹴してみせたのだ。 こいつが対主催でよかったです。 戯言は程々にしてだ。 そろそろ考えなきゃいけねぇか。 「おい、お前ら。話があるんだが」 そうだ、パーティを分断しねぇとな。 俺はその旨を皆に伝えることにした。 ☆☆☆ 「危険な状況なのに少人数にするなんて何考えてるのですか」(みゆき) 「別れちゃうなんて怖いよ…」(つかさ) 「このままでいた方がいいと思うんだってヴァ!」(みさお) らきキャラたちは反論してきた。 予想はしてたけどなぁ…どうするか。 だが俺としてはここでパーティを分散しておきたい。 何しろパロロワには法則が存在するからだ。 俺たちみたいな大所帯を状態表に記すのは前にも言ったとおりかなりの負担がかかる。 だからいずれ団体が分散するは避けられない。 さもなければ俺ら全員ズガンされる可能性だってある。 間引くにおいてメタ的な意味で足を引っ張る参加者ほどのカモは存在しない。 何とか説得しねぇとな。 「私は賛成だね」 らきキャラたちが反論する中、俺の意見に賛同するのはスバル・ナカジマ。 ジェネラルは傍らで頷いている。どうやらジェネラルも俺の意見には賛成らしいな。 「私たちはネウロさ…ゲフンゲフン、人探しのためにここに来たはずでしょ? だったら二手に分かれて探したほうが得策なのは私も同意見だよ」 「ご安心を。戦闘要員である私とスバルがどちらかのチームにいればいざというときにも対応はできる。 私も彼の意見には賛成だ」 スバルとジェネラルがそれぞれ説得する。 こいつらにしてはまともなことを言うじゃないか。 それらが通じたのからきキャラたちも反論を止めた。 どうやらしぶしぶ納得してくれたみたいだ。 内心二人に感謝しておくことにする。 「それじゃ、チーム決めだな」 とりあえず話し合った結果以下のチームに分けることにした。 ZZこと俺とスバルとこなたとみゆきのチーム。 ジェネラルとイクスとつかさとみさおとタコスのチーム。 『同作品のジンクス』に触れないように分けてみた。 これでまたこなたたちから反論が出るかな~と思いきやただの思い過ごしだったらしい。 とりあえずお互いのチームの無事を祈り、俺たちはみなみとゆたかを探すためにわかれた。 出来るならビリーたちとの合流もしておきたいところだな。 そういや、一人忘れてる気がするんだが……。 だれだっけ? う~んと……あやな、じゃなくて……あやね、でもなくて…… ううう~~ん? 峰岸あやの………ハッ!! やべぇ!あのデコを置いてきちゃった!! 他の奴らは気付いていない…。 やれやれ…探し物がまた増えたみたいだ。 ついでに探しておきますか。あくまでついでね。 完璧に忘れてたよ。 きっとアイツ怒ってるんだろうな~ やっぱりZZさんは少し怪しい。 私、泉こなたはそう思った。 初めて遭遇したときといい、ゆーちゃんとみなみちゃんが消えたことといい、今回のチームわけといい、 やっぱりZZさんは謎だらけだ。 あの人が何考えてるか知らないけれど、皆に危害を加えるつもりなら許さないからね。 そういや峰岸さんはどこへ行ったんだろう? それとかがみは今どこにいるんだろう? 「ん?どうしたんだこなた。俺の顔に何かついてるのか?」 「あ…いや、なんでもない」 【二日目 1時00分/新惑星 秋葉原跡】 【峰岸あやのを目立たせる同盟Aチーム】 【◆ZZlReeJbgc@書き手】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】ノートPC 【思考】 基本:ピンクとの約束通り、みゆきやあやのを守る 1:こなた、みゆき、スバルと行動を共にする 2:みなみとゆたかを探す。ついでにあやのも探す。 3:できるならビリーたちと合流する 【泉こなた@らき☆すた】 【状態】健康、尻丸出し 【装備】不明 【道具】支給品一式 【思考】 1:あやのを目立たせる 2:◆ZZlReeJbgcに疑念 3:みなみとゆたかを探す 4:一応あやのも探しておく 5:かがみが心配 ※峰岸あやのを目立たせる同盟のメンバーです。 【高良みゆき@らき☆すた】 【状態】健康、尻丸出し 【装備】不明 【道具】支給品一式 【思考】 1:あやのを目立たせる 2:みなみとゆたかを探す ※峰岸あやのを目立たせる同盟のメンバーです。 【スバル・ナカジマ@リリカルなのはシリーズ】 【状態】健康 【装備】無し 【道具】支給品一式、不明支給品 【思考】 基本:ネウロ様は探す……皆は守る……両方やらなくちゃならないのが(ry 1:もう一度、ネウロ様に会いたい。 2:みなみやゆたかを探す 3:イクスにスパンキングの魅力を伝える 4:スパンキング……イイ! ネウロ様に会ったらしてもらおう! 【峰岸あやのを目立たせる同盟Bチーム】 【ジェネラル@カイザーナックル】 【状態】最強の尖兵、感心できない厨性能 【装備】いらない 【道具】支給品一式その他不明 【思考】 基本:バトロワとは感心しませんな 1:みなみとゆたかを探す ※ルイズや513とは別れました 【柊つかさ@らき☆すた】 【状態】健康、尻丸出し 【装備】不明 【道具】支給品一式 【思考】 1:あやのを目立たせる 2:みなみとゆたかを探す ※峰岸あやのを目立たせる同盟のメンバーです。 【日下部みさお@らき☆すた】 【状態】健康、尻丸出し 【装備】不明 【道具】支給品一式 【思考】 1:あやのを目立たせる 2:みなみとゆたかを探す ※峰岸あやのを目立たせる同盟のメンバーです。 【イクスヴェリア@リリカルなのはシリーズ】 【状態】気絶、性的な疲労 【装備】無し 【道具】支給品一式、不明支給品、双眼鏡@現実 【思考】 1:………(気絶中) 2:殺し合いには乗りたくない 3:スバルについていく(ただし物凄い勢いで幻滅中) 4:べ、別にあんなの気持ちよくなんか………。 ※スバルと別行動していることに気付いていません 【片岡 優希@咲~saki】 【状態】健康 【装備】なし 【道具】タコス 【思考】 基本:タコスうまいじぇ! 「クックックックックックックッ クハッ…ハハッ…ハハハッ……… RANRANRUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!」 私のマスターは笑っている。 放送が終わったあとからずっとだ。 あの放送の何が面白かったのか私には未だに理解できない。 私としては知り合いが1人も死んでないので少しホッと胸を撫で下ろしているところだ。 「クハハハハハハハハッ! 死んだ、やっぱり死んだなぁ!! たくさん死んだな!べらぼうに死んだな!! これこそマクドナルドのための闘争にふさわしい!! ドナルドは嬉しいな♪」 マスターは私に行動方針を決めるように言ってきたが、ぶっちゃけ私も何を命令すればいいのか分からない。 私が命令しなくても勝手に暴れてるんだけどね。 「クックック、そういえばあの男もまだ生きているとはな! ケンタッキーにその身を売った売国奴にしてはなかなかやるではないか 執念深いやつだ。いいだろう私は何度でも相手になってやる!」 『あの男』とはさっきマスターと戦っていて、何だかすごい技で倒したあの人のことだろう。 マスターは充分化物だけどあの攻撃を喰らって生きているあの人って一体……… 「さあそろそろこの地を後にしようではないか我が主。 次の闘争のために…そして次々の戦争のために……」 マスターは相変らず次の闘争を求めて歩く。 どうしたらいいか分からない私もただついていく。 そういえば超展開の連続でずっと忘れてたんだけど… こなたたちは今どこで何をやってるんだろう? 【二日目・午前一時/新惑星・秋葉原】 【柊かがみ(七期)@らき☆すた】(マスター) 【状態】記憶喪失、吸マック鬼化、アーカードナルド(クラス・マスター)と契約、マクドナルドの制服 【装備】無し 【道具】無し 【思考】基本:マクドナルドを広める 1:とりあえず、どうしよう? 2:こなた…… ※吸マック鬼がどんな性質の生物かは不明です。 とりあえずマクドナルドのファーストフーズが大好きなようです。 【アーカードナルド@ヘルシングとかマクドナルドとかそこらへん】(クラス・支配者(マスター)) 【状態】吸血道化師、絶好調、柊かがみと契約、マ力消費(極小) 【装備】なし 【道具】なし 【宝具】穀物で挟む挽肉と野菜(インフィニットマック)、他 【思考】基本:マクドナルドのマクドナルドによるマクドナルドの為の闘争 1:マスターに従う 2:あの男は生きていたか。面白い! 「そうか。確か秋葉原はどっかのバカによってぶち壊されたんだよなぁ?」 狙撃手を退いた長宗我部元親は秋葉原に来ていた。 別に目的があってここに来たわけではない。 強者を求めて適当にほっつき歩いていただけだ。 跡形もなく崩壊した秋葉原を見て元親は思い出した。 秋葉原で暴れていた化物の存在を。 「興味が沸いてきたねえ。 秋葉原を崩壊した奴によぉ。 もしかしたらまだそこらへんにいるかもしれねえ。 ちょいと探してみるかぁ」 元親は秋葉原跡地を探索することにした。 そして元親から1km程離れた路地で元親をストーキングする存在が1人。 『流石は私の狙撃を無効化させたことはある。 まるで隙がない』 ストーキングの主、パトリシア・マーティンは誰にも聞かれないように呟いた。 そして隙あらば撃とうとしてたスナイパーライフルをデイバッグにしまう。 やっぱり『』内は英語である。 『ま、ひよりの仇が私の狙撃一発で仕留められるとは思っていません。 私も簡単に貴方を殺すつもりはありませんからね』 親友であるひよりを殺したのだ。 一発で楽にするつもりはない。 存分に懺悔して死んでもらうつもりなのだ。 そしてパティが思い出すのは元親が言っていた秋葉原を破壊した化物のこと。 彼女はアメリカ仕込みの読唇術を修得しているため化物の存在を知ったのだ。 パティはニヤリと笑う。 『化物ですか。どうやら利用する価値はありそうですね』 どうやら読唇術によると元親はその化物と戦いたがっているらしい。 その化物との戦いのドサクサ紛れで狙撃するという手もありそうだ。 パティは再び策を練りはじめる。 化物を利用して元親を追い詰める策を。 『ストーキングしつつミッションを達成ですか。まるで……』 「メタルギアソリッドみたいデスネ~」 何気にメタルギア気分になっていた彼女であった。 【二日目・午前一時/新惑星・秋葉原】 【長宗我部元親@戦国時代】 【状態】健康 【装備】日本刀 【道具】なし 【思考】 1:戦いを楽しむ 2:気が向いたら信長の指示通り、参加者をひっかきまわす 3:さらに気が向けば、ボーカロイドを探して殺してもいい 4:セイバー、狙撃手、またはまだ見ぬ強者と戦いたい 5:化物(アーカードナルド)を探して戦いを挑む 【パトリシア・マーティン@らき☆すた】 【状態】健康 【装備】 【道具】支給品一式、銃火器多数 【思考】 1:織田信長を殺す 2:元親を殺し、田村ひよりの仇を討つ 3:化物(アーカードナルド)を利用して元親を倒す そして同時刻秋葉原――― 「ねぇ貴方。私の名前を言ってみなさい」 ジャネラルと別れた513に顔近づける少女が1人。 その少女は額が広く、セーラ服を着ていた。 「聞いてるの?私の名前を言ってみなさい」 (これってあれだよな?どう考えても名前を言わなきゃ殺されますみたいな展開だよな? 確かこいつの名前は何だっけ?だめだ、全然思い出せねえ) 513は必死に少女の名前を思い出そうと頭をフル回転させるが全く思い浮かばない。 なにしろ目の前の少女は背景同然なのだから。 「そう…貴方も知らないのね……」 「いや、知ってる!知ってるともさ!!」 少女は自分の額を光らせる。 これはイカンと思った513は何とか命を繋ぎとめようと口からでまかせを言う。 しかし彼女が騙されるわけがなく…… 「じゃあ私の名前を言いなさいよ!」 「ちょwww知ってるって言ってるんだからそれでいいじゃねぇかよww」 「私は嘘は大嫌いなのよね!!」 「たっ…頼む、見逃してくれ!俺はもうズガンされる側になりたくね~!」 「もう遅い!脱出不可能よぉぉぉぉ!!貴方も消し炭になりなさい!」 「もうズガンなんて嫌だああああああああああああああああああああ!!!」 少女の額からレーザービームが飛び出した! それを浴びた513は溶けていく、溶けていく…… 「あ~あ。『この世界の私』があまりにも不甲斐ないから私も出張する羽目になったじゃない」 溶けた513は目もくれず少女は溜息をつく。 「ま、私がここに来たからにはやることは1つよね」 デコの広い少女は笑みを浮かべる。 彼女にはどうしても会いたい人がいた。 「知ってるわ。世界観が一新された中でもあのカオスロワのガチレズ悪臭ツインテールはここにいるのよねえ? もしかして別世界からこれるのは自分だけだと思った?」 少女は声を出して笑い出す。 「あの女に出来て、私が出来ないわけないじゃない。 待っててよね。ガチレズ悪臭ツインテール……いや、柊ちゃん!」 峰岸あや――いや、らき☆すたのデコは歩き出す。 【二日目・午前一時/新惑星・秋葉原】 【らき☆すたのデコ@らき☆すた】 【状態】健康 【装備】額のレーザービーム 【道具】支給品一式 【思考】 基本:目 立 つ 0:私の名前を言ってみろぉぉ! 1:柊かがみ達をより楽しく殺す 2:何とか聖杯戦争に自分を捻り込む 3:もう1人の自分については…… 【513@現実 死亡確認】
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グランフォートレスは飛ぶ。その先には孤島が一つ浮かんでいた。 「わあ、懐かしい」 「スバル、遊びに来たんじゃないのよ」 グランフォートレスの中から島の様子を見て懐かしむスバルをティアナが少し叱る。 「いいから、ティアも見てみてよ。変わってないよ」 ティアナはしぶしぶモニターから島を見て、ティアナも懐かしさを感じた。 「本当に変わってないね」 「二人とも来た事あるの?」 なのはがスバル達に尋ねる。 「ええ、ティアに初めてギン姉を紹介した場所なんですよ」 「そうなんだ」 「あの時は楽しかったな~」 スバルとティアナはギンガと一緒に遊んだ時の事を思い出す。 と言ってもティアナはスバルに一方的に振り回されたり、ギンガにもスバルほどではないが少し振り回された記憶がある。 「お二人にとっていい思い出なんですね」 後ろで聞いていたリインがそう言った。 「時空管理局の協力の下で作られて、管理世界の様々なものを取り入れているのよ。まあ、レプリカだけど雰囲気を楽しむにはいい場所ってところね」 「ドゥーエも行ったことあるの?」 今度はフェイトがドゥーエに尋ねた。 「まあちょっとした用事があってバイトをしていたの。すぐに飽きてやめたけどね…」 その割には少し誇らしげに話すドゥーエ。 「そろそろ着陸に入るぞ。早く席に着け」 グランフォートレスを操縦するシグナムが皆に注意を呼びかける。 「はあ~、プライベートならよかったのにな……」 第12話 孤島からの真実 グランナイツのメンバーは島に降り立つが唖然とする。その島は普通の遊園地となんら変わりないようにしか見えない。 「ねえ、これって…」 「前と全然変わらない普通の遊園地ね…」 スバルとティアナは前と変わらない様子にわずかに戸惑いを見せる。 何で二人が戸惑うのかと言うと訳がある。 それはこの日の明朝にこの島にゼラバイアの反応がわずかに見られ、その調査に来たのだが、ゼラバイアの反応はともかくとしても、普通に営業しているのだ。 「ずるいな~」 その遊園地の外の様子を教会の司令室のモニターで見ていたキャロがぼやき、ルーテシアとヴィヴィオもうなづく。 「グランナイツの皆だけで行くなんてずるい」 「私もエリオと一緒に行きたかった」 「ぼ、僕と!?」 隣にいたエリオはおもいっきり驚く。 「ルーちゃん、それもずるい」 「私もママ達と行きたかったー」 「あのね、これは任務。それに君達勝手にここに入ったらダメだろ」 クロノがキャロ達を追い返そうとするが、ヴィヴィオとキャロがせがむ。 「やだやだ」 「ねえ、遊園地連れって下さい」 「ああ、シャーリー、アルト、ルキノ。とりあえずこの子達を追い返してくれ」 クロノがシャーリー達に頼むが三人とも反応が無い。 何故かと言うと三人とも遊園地のマスコット人形に見惚れてたからだ。 「ああ、クマ君…」 「欲しいな~」 「君達………」 クロノは呆れてものも言えなかった。 そして遊園地にいるグランナイツのメンバーは遊園地の中を見回るが特に異常が見あたらなかった。 「何もおかしいところは無いわね」 「お客さんもいっぱいいるし…」 「間違いかな?」 「どうでしょうかな?」 ドゥーエ、フェイト、なのはの言葉にスバルが訂正するように言う。 「乗ってみないとわかりませんよ」 「ですね!」 リインが元気よく賛成した。 そして皆楽しんだ。ジェットコースターにお化け屋敷に水を滑り降りるコースターなどとにかく楽しんだ。 コスプレ店などにも行き、なのははどこかのケンカ馬鹿を待つ少女の格好、フェイトは主人公の男の前ではいつも緊張している女忍者、 ティアナはちょっと変わったものをお持ちかえる少女の私服、リインはどこかの不老不死で魔女と名乗る女性の最初の衣装、 スバルはパンツのようなズボンをはいている少女の服装などであった。 「次どこ行く?」 「そう言えば、リインはこういうの初めてだよね。なんだったらリインの行きたいところでいいよ。遠慮なく言っていいよ」 「別にいいですよ。私はこう行った所に行くの初めてで充分楽しいです」 「リインってずっと聖王教会にいて、こういうところ出てないんだよね」 「はいです」 「私も魔法と出会う前までは家族や友達と一緒に行ったことあるけど…」 「そうか、なのはは聖王教会に行く前は普通の女の子だったのよね。それなのにヴェロッサときたら…、なのはにしろリインにしろ過保護ね」 ドゥーエが少しヴェロッサを皮肉るように言った。 「ヴェロッサさんにはとても感謝しています。記憶の無い私をずっと見てくれて…、もしヴェロッサさんがいなかったら……」 リインが懐かしむかのようにヴェロッサの事を思う。 「リイン、思い出はこれから皆で作れるよ」 「そうだよ」 「私たちで作ろう、リイン」 スバルやフェイトやなのは、皆がリインに心のある言葉をリインに伝える。 「皆さん、ありがとうございます」 その後皆でコスプレをしたまま写真を撮ったりなどした。 そして大方のアトラクションを楽しみ、そろそろ帰ろうかとした時、たまたまティアナが少年とぶつかる。 「あ、ごめんなさい……」 謝ったティアナは不審に思った。少年の様子がおかしいのだ。 そしてその不審は確信、いや現実となった。少年の姿が突然変貌し、ゼラバイアとなったのだ。 「な!?」 「ゼラバイア!」 すると周りの人間の様子もおかしくなりグランナイツのメンバー以外の人間が皆ゼラバイアになったのだ。 「まさか、全員…」 「皆強行突破! すぐにグランフォートレスのところに向かうよ!」 『はい!』 全員が自分の持つデバイスを手にし、変身し、バリアジャケットを装着。 自身の持つ技で回りにいるソルジャー級ゼラバイアを何とか蹴散らしていく。 ソルジャー級のゼラバイア達は自分達の身を一つに集め、合体し大きくなっていった。 「でかくなった!」 「皆、急ぐよ!」 なのはが指揮を取りつつ、皆飛んだり、走ったりしてグランフォートレスの方に向かう。 その様子は聖王教会の司令室でも確認されていた。 「ソルジャー級ゼラバイア、なおも増大」 「数は5000、いえもっと増えます!」 「これは客、係員、その他の人間が偽装したゼラバイアだと思われます!」 「これはすごい数だ…。それにさらに合体してウォリアー級になるとは……」 クロノが冷静に状況を分析、その間にヴェロッサが司令室に入ってくる。 「ゼラバイアの目的は、グラヴィオンのパイロット」 スバル達はグランフォートレスで待機していたシグナムの助けもあって、何とかグランフォートレスに到着。 皆各グランディーヴァに搭乗した。 「よし、グランナイツの諸君、合神せよ!」 ヴェロッサの承認と共にいつものようにスバルが合神させ、ゴッドグラヴィオンが完成する。 そして合体されたウォーリア級のゼラバイアを迎え撃つ。 「いくよ! グラヴィトンミサイル・フルバースト。シューーーート!!」 なのはの乗るGアタッカーから大量のミサイルが発射され、ゼラバイアも飛び道具でそれに応戦。 お互い相殺しあい、周りに爆風が立ちこまる。ゼラバイアは何も見えないがゆえに隙が出来、その隙にすぐにグラヴィオンはグラヴィトンプレッシャーパンチを使い、ゼラバイアの腹部分に風穴を開けた。 そして一気にトドメを刺さんとばかりに超重剣を呼び寄せ、一気に決着を付けた。 ゼラバイアは空間ごと超重剣に斬られ、消滅した。 「ゼラバイア、消滅」 「ゴッドグラヴィオン、合神を解除してください」 超重剣はそのすさまじい破壊力ゆえに使ったらすぐに重力子臨界に達してしまうのだ。 「了解」 スバルが合神を解こうと、一旦島に着陸する。 すると着陸した途端突然島が揺れ始め、地面から無数の触手出現し、グラヴィオンの手足を絡め取る。 そして目の前には先ほど倒したゼラバイア以上の大きさをしたゼラバイアが姿を現す。 そうその島そのものがゼラバイアと化っしていたのだ。 「まさか島そのものと融合していたとは…」 「ゼラバイア、グラヴィオン内部に侵入! 侵食する気です!」 ゼラバイアの触手がコックピット内に入っていく。 そして各グランディーヴァにいる皆を襲い、Gシャドウのコックピットにも入ってくる。 しかしここで少し予想しがたい事があった。 それは他の皆と違い、触手が直接リインに攻撃しなかったのだ。 リインは突然の触手で驚く。そしてその触手からは目玉のようなものが現れリインを調べるかのように見る。 リインは突然その目玉見て、突然叫びだす。その叫びに反応したのか目玉は突然割れる。 それどころか外にいたゼラバイアが島ごと崩壊したのだ。 「一体何が……?」 「リイン……」 司令室にいるクロノとヴェロッサもその様子を唖然と見る。 「どういうこと!? リイン無事!?」 スバルがリインの安否を確認する。するとリインはなにやら怯えるような声で答えた。 「私は……、リイン……フォース……Ⅱ(ツヴァイ)……」 『!?』 突然何の事か皆わからなかった。リインはそれだけを告げて意識を失った。 司令室で聞いていたヴェロッサは床に手を付き、つぶやく。 「リイン、フォースⅡ………、ふふふふ、ふふふふふふ、ふははははは」 そしてヴェロッサは壊れた人形のように不気味に笑い続けた。 前へ 目次へ 次へ